半導体用語集

モールド装置,モールディング装置

英語表記:molding equipment, molding system

 モールド工程に使用する装置。
 最初に,モールド工程およびモールド金型の動作を説明する。マウント,ワイヤボンディング後のリードフレームをモールド金型に設置し,モールド金型の上下金型で封止,固定し,モールド金型内の樹脂タブレットをプランジャで加圧し,順次モールド金型に樹脂を注入成形する。モールド装置に搭載されているモールド金型は,モールド装置の熱板により,170~180℃程度の高温に保たれている。したがって,モールド樹脂は,モールド金型の樹脂流路に接する部分から溶融する。モールド装置側に取りつけられたプランジャが動作し,ポット内の樹脂は,流路であるランナ,ゲートを通過し,キャビティ内に注入される。さらに,樹脂が硬化する30秒から90秒程度保持することにより,樹脂が硬化し,チップ,ワイヤ,リードフレームの一部を封止した成形品がえられる。
 モールド装置の主な構成要素は,リードフレーム供給ユニット,タブレット供給ユニッ卜,プレスユニット,リードフレーム収納ユニットである。リードフレーム供給ユニットは,ワイヤボンディングすみリードフレームが収納されているカセットからリードフレームを金型上に供給する。タブレット供給ユニットは,樹脂タブレットを整列し,所定数量をタブレットローダから金型内ポットに供給する。プレスユニットは,エアーハイドロ式やトグル式,油圧式などの方式が存在する型締め部である。リードフレーム収納ユニットは,成形後の製品を取り出し,成形品とカルを分離するゲートブレークを実施した後に,製品を所定の収納カセットに収納する。モールド装置のその他の構成要素は,ブラシ,エアーブロー,集塵部で構成された金型の表面を清掃するダイクリーナなどがある。近年ではボイドを低減する目的で,成型時の金型内部を減圧した状態で成形する方法もあり,真空ユニットをオプションで付加できる構成の装置が増えている。
 最後に,モールド装置のプランジャ,駆動方式の進化を説明する。モールド装置のプランジャは,最初に,一つのタブレットのみで所要の樹脂を注入するシングルプランジャタイプが開発され,次に,複数のポットにミニタブレットを投入するマルチプランジャタイプが開発された。現在はマルチプランジャ方式が主流である。マルチプランジャ方式の利点は,各キャビティへの充填量が均等になること,樹脂材料の利用効率の向上すること,などがある。装置の駆動方式は,最初に油圧方式,次に電動サーボ制御方式が開発された。現在は電動サーボ制御方式が主流である。油圧方式は,油温の変動,油圧配管内へのエアー混入による動作不具合などの問題が発生しやすかった。しかし,電動サーボ方式は,油圧方式の問題点が解消されるとともに,高精度な成形プロファイルを再現できるなどの利点がある。


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