半導体用語集

ラインバランス

英語表記:line balancing

 加工対象物(いわゆる製品,半製品)の流れに沿って,作業者(または装置)を配置し,作業者(または装置)に均等な量の作業を割り当て,作業者(または装置)の手待ちをなくし,加工対象物が生産ライン内をスムーズに流れるようにすること,またはその技術。
 ラインバランスの考えは,古代からいわゆる分業として発達した。近代で本格的にラインバランスを取り入れた生産ラインは,1908年に発表されたフォード社が自動車を製造したラインであるといわれている。
 ラインバランスの最適化とは,組立ライン全体で生じる作業者(または装置)の遊び時間を最小にするように作業を配分する問題といえる。
 工程iでのサイクル時間ci,作業時間xi,遊び時間δiとすると,次式の関係がある。
  ci=xi+δi

 実際には,xi,δiにはばらつきがある。通常は,xiのばらつきは無視できるほど小さいが,δiのばらつきは大きい。δiはciに大きく影響するために,δiのばらつきをσi,危険率をθaとすると,上式は次のようになる。
  ci=xi+θa・σi

ここで,工程iでのばらつきを考慮した作業時間をtiとする。
  ti=xi+θa・σi

全工程のラインバランスを最適化するためには,ΣδiまたはΣ(θa・σi)を最小化することになる。
ここで,ti(i=1,2,3,…,n)が全工程をスルーしたサイクル時間cより小さければ,個々の工程のラインバランスは取れているといえる。

  c≧ti
 現実的には,上記の考え方に基づき、各工程の遊び時間δiを設定し,ラインバランスを最適化する。


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