半導体用語集
ラジオシティ法
英語表記:radio city process
"現実世界,特に室内では,照明などの光源から出た光は壁などの物体に到達すると,物体の反射率に応じて一部は物体に吸収され,一部は拡散反射して周囲に放出される。壁で拡散反射した光は,床などの他の物体に当たって再び拡散反射し,一部が周囲に放出される。同様にして,光源からの光は各物体間で無限回の拡散反射を繰り返し,その結果として一定の照度分布を形成する。
ラジオシティ法は,このような光の拡散反射をリアルに再現する照明計算法で,建物内部のような直接光や鏡面反射する物体がないような状況下でよく利用される。ラジオシティ法は,物体表面を小さなパッチに分割し,ラジオシティと呼はれるそのパッチ内の明るさをパッチ間での光のエネルギーの相互受け渡し量から計算する。すなわち,ある一つのパッチに注目した場合,他のパッチのすべてから受ける土ネルギーと,このパッチが出力するエネルギーが等しいという方程式を立て,パッチ数分の連立方程式を解くことになる。この方程式は特殊な線形方程式で表現されるため,その解をえるには一般的にはパッチ数の2乗に比例した計算量となる。
ただし,高精細な画像をえるにはバッチのサイズを小さくする必要があり,計算量が2乗に比例したのでは実用的でないため,ソーティングを伴う高速化手法が開発されている。また,連立方程式の係数をフォームファクタと呼ぶのだが,フォームファクタを求めるには,各パッチ間でのお互いにみえる割合を計算する必要があり,各フォームファクタの計算にZバッファ法的な手法が用いられる。ラジオシティ法によって各パッチの明るさが計算された後は,グーローシェーディングによってレンダリングする。
ラジオシティ法で求めた照度分布は,物体の配置や光源の強度が変化しなければ一定であるため,視点位置だけを変化させて室内を歩き回るような場合は,最初に1度だけ計算すればよいという利点がある。"
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