半導体用語集

ラテラルオートドーピング

英語表記:lateral autodoping

バイポーラデバイスでは埋め込み層を基板に設け、その上にエピタキシャル成長させる。埋め込み層としては、サブコレクタであるn⁺ 埋め込み層が 形成されるが、pn 分離用のp⁺ 埋め込み層が形成される場合もある。これらの埋め込み層はウェハ表面にあるマスクを用いて部分的に形成され、埋め込みパターンと呼ばれる。ラテラルオートドーピングとは、エピタキシャル成長時にこの埋め込み層からドーパントが放出され、横方向に拡散して埋め込み層の上以外のエピタキシャル領域にドーピングされることである。ラテラルオートドーピングは、埋め込み層上以外の領域のドーパント濃度の深さ方向分布より評価でき、ラテラルオートドーピングがある場合にはエピタキシャル/基板界面に、埋め込み層に使用されたドーパント種が検出される。ラテラルオートドーピングが大きい場合にはエピタキシャル層の伝導型が反転し、導通不良を起こすこともあり、この反転層をghost layer と呼んでいる。ラテラルオートドーピング量は埋め込み層中のドーパント種、濃度、エピ成長条件などに左右される。埋め込みドーパントとしては n⁺埋め込みではSb、As、P、p⁺ 埋込みではBが一般に用いられる。Asのオートドーピングは高温成長、減圧成長で低減できるが、Bでは逆の挙動を示す。実際の製造では n⁺埋め込みとしてSbを用いる場合が多く、この場合 Sbのラテラルオートドープが小さいため、Bのオ ートドープに留意すればよい。近年、デバイス特性向上のため、高濃度As 埋め込み/B埋め込み上のエピタキシャル成長が必要とされている。この場合は Asのラテラルオートドーピングが大きいため、オートドーピングを抑制する必要があり、Asのオートドー ピング低減に効果のある減圧成長など が使われている。


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