半導体用語集

リフレッシュ特性

英語表記:refresh characteristics

 DRAMの記憶は電荷保持によっている。電荷を保持するストレージノードは基本的に他の部分から絶縁されているが、各部に微小なリーク電流が流れる経路があり、電荷は徐々に失われる。このため、電荷が失われてしまう前にいったん読み出し、同じ情報を書き込む動作が必要となる。この記憶保持動作が必要な点がDRAMの特徴であり、この動作はリフレッシュと呼ばれる。リフレッシュ特性とは電荷保持特性のことであり、 リテンション特性とも呼ばれる。
書き込みを行ってからリフレッシュ動作が必要になるまでの時間がリフレッシュ特性を代表する。リフレッシュ動作はすべてのビットに対してそれぞれこの時間以内に行う必要がある。外部回路からの要求で読み書き動作をしていても、ずっとアクセスされないビット(正確にはワード線)がありうるから、リフレッシュ動作はやはり一定の時間間隔で行う。リフレッシュ動作を行っている時には外部回路から要求された読み書きができないため、リフレッシュ特性が悪いとシステム全体の速度性能を悪化させることになる。このためリフレッシュ特性には規格が設けられている。また、読み書き動作をしないスタンバイ状態でもリフレッシュ動作は必要であるから、低消費電力のDRAMをえるためにはリフレッシュ特性がよい必要がある。
リフレッシュ特性をよくするにはリーク電流を抑制する必要がある。リーク電流には、pn接合の逆方向リーク電流、フィールド分離のリーク電流、転送トランジスタのオフリーク電流、キャパシタ誘電膜のリーク電流、その他ストレージノードを他の部分から絶縁している絶縁膜のリーク電流がある。
pn接合リークは金属汚染、結晶欠陥、接合部の強電界などによって増大する。このため、DRAMのウェハプロセスでは金属汚染に細心の注意が払われ、混入した金属を接合部から遠ざけるためシリコン基板中に故意に結晶欠陥を作るゲッタリング技術などが用いられる。またイオン注入で生じた結晶欠陥を回復させる熱処理プロセスにも細心の注意が払われる。さらに、転送トランジスタの微細化に伴って接合部の電界強度が増大する傾向にあり、これを緩和するようなデバイス設計が行われる。
フィールド分離は、フィールド絶縁膜パターンと界面反転防止の不純物によって行われる。微細化とともに選択酸化によるフィールド酸化膜形成ではリーク抑制が困難になり、浅いトレンチ分離(STI)が用いられるようになった。これは、フィールド分離を十分に行うための膜厚で、かつ、微細なフィールド酸化膜パターンを選択酸化法で形成しようとすると、結晶欠陥を生じてしまい、接合リークを増大させる要因になってきたためである。
転送トランジスタのオフリークは、しきい値電圧を必要十分に高く設定することで抑制される。しかし、しきい値電圧を高くするためにチャネル不純物を増やすと、接合の電界が強くなり接合リークが増える方向となる。これを緩和するため、オフ時のワード線電位を0よりも低く(負電位に)して、しきい値電圧を低めにする方法が知られている。
キャパシタ誘電膜、その他の絶縁膜については、リークが十分小さくなるように材質、膜厚が設定される。

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