半導体用語集
リフロークラック解析
英語表記:simulation of reflow cracking
リフロークラック解析は,表面実装型のプラスチックパッケージが,マザーボード上へのはんだ実装時のリフローで,高温に曝された時にクラックが入るか否かを数値解析によって予測するものである。
シミュレーションは,パッケージ内部に剥離面を仮定し,剥離面に水蒸気圧を印加し,剥離端の樹脂部分の応力を数値解析により求める。剥離端の応力計算は,パッケージ構造を簡単化し,板の曲げ理論を適用して応力を数値解析する方法と,有限要素法により,クラック発生箇所の応力を数値解析する方法がある。
周辺固定された板の曲げ理論によると,剥離端の応力σは,式(1)で計算できる。
ここで,aは剥離長さ,すなわち全面剥離すると仮定したダイパッドサイズである。hはクラックする部分の樹脂厚であり,通常,ダイパッド下樹脂厚となる。kは二次元でモデル化しているために登場する係数であり,ダイパッドの縦横比で決まる。長辺をbとした場合,b/a=1の場合はk=0.0513,b/a=2の場合はk=0.0829となる。P(MPa)は印加される水蒸気圧であり,ボイル-シャルルの法則からで求められた式(2),または,飽和水蒸気圧の経験式から求められた式 (3)で得られる値の小さい方を用いる。
ここで,Ns(mg/mm³)は樹脂の吸湿量,T(K)は絶対温度,RH(%)は相対湿度である。
上記の値を用いて応力を樹脂の曲げ強度σBと比較し.式(4)であればクラックが発生する。
パッケージ形状が複雑な場合.有限要素法を用いた数値解析を行う。上記と同様,剥離面を仮定して水蒸気圧を印加させた数値解析を行う。破壊力学により,パッケージ内部の剥離端部の応力σ(r)は,式(5)となるので,有限要素法で求められたσからKが逆算できる。
ここで,Kは応力拡大係数,rはクラックが始まる始点を原点とした,樹脂中の距離である。応力拡大係数Kを樹脂の破壊靭性値KIC と比較し,式(6)であればクラックが発生する。
または,応力分布自体を全体的に比較し,式(7)であればクラックが発生する。
最近では,パッケージの耐クラック性向上対策が進んできた。このため,クラックには至らないものの,剥離が発生すると不可というユーザーも増えてきている。よって,剥離が発生するかどうかのシミュレーションが必要になってきている。
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