半導体用語集

レジスト形状シミュレーション

英語表記:Simulation Of cross—sectional View Of resist

レジストパターン形状の数値計算シミュレーションは、1975年Dillらにより初めて発表されて以来、現在まで改良を続け、三次
元化、高精度化、高速化を達成してきた。初期の二次元レジスト形状シミュレーションとは、(1)マスクパターンの投影露光像、光強度分布を計算し、(2)レジスト内に垂直に入射すると仮定し、光分解される感光剤の濃度分布を求め、(3)感光剤濃度分布と現像速度との関係より現像後のレジストパターンの断面形状を計算するという単純なものであった。
その後、三次元化のための改良と並行して、レジスト内での光の挙動を Maxwell方程式に基づいて解析する方法が提案された。このレジスト内での二次元的な広がりを考慮することが可能になったことで, 下地段差のある基板上でのレジストパターン形状の予測が実現した。さらに高精度化を目的として、これまで仮定してきたレジストへの垂直入射という条件から、斜め入射の影響を考慮する手法も提案された。 昨今の露光装置の高NA化に伴い、斜め入射の影響は顕著となるため、より高精度なシミュレーションが可能となった。また、感光モデルに関しても、これまでのg線、i線用ノボラック系のレジストモデルからDeep UV光用の化学増幅型レジストに対応する酸触媒の拡散モデルも提案されてきた。 現像モデルについてははとんど開発の進展がなく、物理現象としての解析が望まれる。 シミュレーション技術は今後もさらに改良され、リソグラフィ技術の最適化のための効率的手段であるが、一方、現象を解析、理解することで、プロセス開発を促進させることも重要な課題である。


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