半導体用語集
レチクル異物検査
英語表記:reticle inspection
レチクルの表面に付着した異物などを検出するための検査のこと。光の透過や散乱、反射などを利用して検出を行う。以下に散乱による異物検出の原理を説明する。レチクルに対して斜めより光を照射すると、異物のない場合には反射するが、異物があると乱反射を起こす。 この散乱光の一部を受光し異物の検出を行う。光の散乱はレチクルのパターンによっても起こるので、パターンによる散乱から異物による散乱を選択的に検出する必要がある。異物による散乱の場合、光は全方向に散乱されるのに対し、パターンによる散乱の場合、光はパターンに対して垂直方向に散乱されるという特性を持つ。レチクルのパターンは一般的に0°、45°、90°であるため、それと異なる角度 (15°~30°程度) からの散乱光だけを検出することによりパターンからの散乱と区別することができる。露光機内では主にレチクルチェンジャと組み合わせて使用される。一般的に、 レチクルチェンジャのレチクルカセット棚から露光機本体のレチクルステージ上へ送り込む間、 もしくはレチクルを回収する時に行う。基本的にはレチクルのパターン面上、ブランク面上、 ペリクル面上の異物を検査する。レチクルにペリクルが装着されていない場合はパターン面、ブランク面のみの検査を行う。検査に用いられる装置は、レーザ、レチクル上に入射・スキャンさせる投影光学系、散乱光を集光し検出器に導く検出系などからなる。レーザはポリゴンミラーと直線ステージなどによってレチクル全面をスキャンする。パターン面とブランク面は別々のビームが照射される。精度を出し、パターンと異物の区別をするためにパターン面ではビームが集光されている。そのためペリクル面ではビームはデフォーカスした状態になるが、ペリクル面では使用上大きな粒径の異物を判定すればいいので問題にはならない。 また、検出した欠陥の位置は、ビームスキャンと直線ステージの位置の信号処理によって行われ、検出した異物の観察が可能である。
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