半導体用語集
レーザはんだ付け
英語表記:Laser Soldering
レーザビームを用いて局所的に加熱をする高精度なスポットはんだ付け法のこと。リフローに用いられるレーザの代表的なものとして,CO₂,YAG(Yttrium Aluminum Garnet),エキシマなどがあげられるが,現在はんだ付け加工には,固体レーザであるYAGが主として用いられてる。リフローに用いられるレーザに限らず,レーザには波長の差があり,YAGレーザは1.06µm,CO₂レーザは約10.6µmである。いずれも赤外範囲での放射波を発生する。YAGレーザはCO₂レーザにくらべて波長が短いが,これはYAGレーザがCO₂レーザなどと比較して広く利用される理由の一つであり,波長の短いYAGレーザの方がCO₂レーザよりもはんだ,また金属一般への吸収率が高いことが知られている。このため効率よくはんだを溶かす。また,はんだ溶融時のはんだ表面の反射率が,YAGレーザの方がCO₂レーザより低いため,レーザの反射光による電子部品やプリント基板の損傷が少ない。CO₂レーザの波長は,金属によって反射されることが多く,有機物によって吸収されてしまう。レーザを使用すると数10µm径まで集光可能で,冒頭に述べたとおり微小部分のはんだ付けに効果的である。
YAGレーザは,直径0.05mmという小さいスポットにまで集束できる。これに対し,CO₂レーザでは直径0.1mmまでにしか絞れない。レーザ法は熱集中もよいことから,高温に曝すことのできないような部品のリードだけを加熱したい時,周辺への影響を避けたい時などに効果的である。
レーザはんだ付けの利点は,短時間加熱,部分的加熱である。部品を搭載した実装基板全体を加熱する方法では,材料ごとに異なる熱膨張係数を持つ組立電子部品を実装する時,部品間に応力が発生する。炉を用いたリフローではこの熱膨張係数差による応力が発生するのは避けられないが,レーザ法は,前述したこの特徴により応力を減少させることができる。また,はんだとCu面の界面上にできる金属間化合物が他のリフロー方法と比較して少ない。
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