半導体用語集
レーザマーク装置
英語表記:laser marker
レーザで半導体製品にマーキングする装置。近年,半導体製品,電子部品の商標,形名,特性の表示にレーザマークの利用が増えている。レーザマークは,消えることのない,鮮明で高品質なマーキングを非接触で高速に処理でき,生産工程を容易に合理化できる。
レーザマークに用いるレーザは,波長10.6µmで発振材料にCO₂気体を使用するCO₂レーザ,波長1.06µmで発振材料にYAG結晶を使用するYAGレーザが広く用いられている。半導体パッケージ用のマーカとしては,CO₂レーザが10~20Wの低出力で刻印が可能であり,装置が小型,価格が安価ですむ。YAGレーザは,CO₂と比較すると,出力が20~80W程度であり,大型で高価となる。YAGレーザの励起は,従来はクリプトンアークランプが用いられていたが,近年はメンテナンスの容易さから,LD(Laser Diode)を用いるマー力が多い。
レーザマーク方式をマスクや走査方法から分類すると,固定マスクタイプ,拾い文字タイプ,液晶マスクタイプ,ペンタイプの四つに大別できる。液晶マスクタイプとペンタイプは,意匠コード,日付などが短時間に変更できるために,ロットトレースコード付与に適した方式である。なお,液晶マスクタイプは液晶の表示で透過パターンを変えることで,またペンタイプは二つのガルバノスキャナを用いて自由自在にレーザを振ることで描画する。初期のペンタイプは,装置が安価で小型であるという長所の反面,描画速度が遅く,印字精度も悪いという欠点があった。しかし,最近はガルバノスキャナの性能向上により,欠点が改善され,今後はペンタイプがレーザマークの主流となると考えられる。
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