半導体用語集
レーザレチクル描画
英語表記:laser reticle writing
レーザビームを用いて行うマスク描画を行うことをレーザレチクル描画という。80年代後半からマスク描画に用いられ始め、現在マスク生産に広く用いられている。レーザ描画装置はスポットビーム/ラスタ走査/ステージ連続移動の描画方式を採用し、その基本的な構成は電子ビーム描画装置と同じである。レーザビームのon・offは音響光学素子(AOM)により行う。電子ビーム描画装置との大きな違いは大気中で描画が行えることである。そのため大がかりな真空系が不要となる利点がある。また、レジストヒーティングや近接効果といった問題もない。さらに、ーつのレーザ光源から複数本のレーザビームを取り出し、同時に描画することで、描画速度の向上と多重露光による描画精度の向上が可能となっている。光源の波長が水銀ランプのi線に近いことから、ウェハプロセスで開発されたi線ステッパ用レジストが使用可能である利点もある。このように電子ビーム描画にないメリットが多を急速にマスク製造に用いられるようになったが、近年検討され始めた光接効果補正パターンを描画するには解像力の点で問題があり、最先端のデバイス用のマスク描画装置としては不十分である。そのため光源を短波長化した装置の開発も進められている。
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