半導体用語集

レーザ測定

英語表記:laser interferometry

試料を載置したステージ位置をレーザ干渉計によって計測することをレーザ測定という。
電子ビームの偏向走査範囲は数100μm~数mm程度であるため、基板全面にパターンを描画するためにはステージをXY方向に移動させなければならない。また、電子ビームの偏向走査範囲内で正確に目標位置に電子ビームを照射するためにはレーザ干渉計を基準とした直交座標系と電子ビームの偏向座標系とが精密に校正されていることも重要になる。この重要な位置座標系はレーザ干渉計というものさし、すなわちレーザ干渉計の出力を基にして決定している。レーザ干渉計では単色光源から出力されたレーザ光をビームスプリッタで二つに分け、固定鏡と移動鏡で反射させる。ビームスプリッタの上に干渉縞が発生し、反射鏡がλ/2動くごとに明暗が変化する。この変化をディテクタでとらえて測長する。これが基本の原理(マイケルソン干渉計の原理)である。ただし、このままでは分解能はλ/2である。そこで、分解能を拡大する手法が取られる。ヒューレット・パッカード社のマイケルソン干渉計をベースにしたゼーマンレーザ光源を使った2周波レーザ干渉計では、λ/ 1,024 = 0.6nm (λは波長:一般的なレーザ干渉計では633nm)ごとに出力を出すことができ、きわめて高精度に被計測物の位置を測定することができる。したがって、このレーザ干渉計を基準にして電子ビーム描画装置の座標系を構成すればきわめて高精度なパターン形成を行うことができる。ただし、測定精度が上がるにつれて、雑音や外乱の影響が避けられなくなってきている。測定光路の大気ゆらぎや波長自身の変動、さらには測定系全体の振動や熱伸縮などは大きな間題である。このため、電子ビーム描画装置自体を恒温恒湿チャンバ内に設置する、レーザ光路をカバーするなどをした光路での大気ゆらぎ防止、気圧の常時計測による波長補正、測定系と振動源との分離など様々な対策が採られるようになってきている。


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