半導体用語集
ワイドバンドギャップFET
英語表記:wide bandgap semiconductor Field Effect Transistor
SiやGaAsにくらべてバンドギャップの大きな半導体を用いた電界効果型トランジスタ。注目される材料として、SiC、GaN、ダイヤモンドなどがある。これらの材料の物性定数は、まだ正確に把握されていない部分もあるが、おおよそ以下のような特徴があげられる。バンドギャップがSiの約3倍近くあるため、高温でもpn接合の漏れ電流が少ない。絶縁破壊電界が SiやGaAsの約10倍あり、耐圧を変えずに活性層の厚さを薄くでき、かつ不純物密度を高くできることから、オン抵抗を大幅に下げることができる。また絶縁性基板が容易にえられる。高電界での飽和速度がSiの2倍以上に達する。GaNは、AlGaNなどとのヘテロ構造が作製可能で、高い二次元電子ガス密度と高電子移動度が同時にえられる。誘電率もSiやGaAsより小さい。熱伝導率が大きい、耐放射線性が高いなど。これらの特徴から、電力用としては、送電システムの送電能力向上や小型化、電気自動車用コントローラの小型・軽量、低価格化や、工業用大電カパルス電源の固体化、汎用インバータヘの応用などが期待できる。高周波用としては、通信基地局や放送地上局、通信衛星などで真空管の一部固体化、小型、低価格化などが期待される。現在のところ、0.5µmゲートSiC MESFETでfTが50GHz、電力密度3.3W/mm、0.35µmゲート GaN HFETでfTが114GHzなどの報告がある。これらは、材料物性定数からの期待値からはまだ低く、結晶のクォリティやデバイスプロセスなど改善の余地が多く残されている。
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