半導体用語集

両極性拡散

英語表記:two Poles diffusion

電子とイオンの拡散係数をそれぞれDe、Diとすると、両者の比は、



と与えられる。ここにm、T、λは質量、温度、平均自由行程であり、添字e、iは電子、イオンを示す。通常の弱電離プラズマでは、mi/me ~104、Te/Ti~10、λe/λi ~4√2であるから、
De/Di》1である。すなわち、電子はイオンよりも非常に速く拡散する。その結果、容器の壁は負に帯電し、プラズマ内に等量の正の空間電荷が発生し、いわゆる荷電分離が起こる。この正・負電荷が作る電界は電子の拡散損失を抑え、イオンの損失を促進する方向に作用する。そして、最終的にプラズマから壁に向かって流出する電子とイオンのフラックスが等しくなり、プラズマの電気的中性が保たれる。このように、電子とイオンが勝手に自由に拡散するのではなく、毎秒プラズマから流出する電子とイオンの量が等しくなるように電界を作りながら拡散することを両極性拡散という。その時の等価的な拡散係数Daは次式で与えられる。

      
ただし、μe、μiは電子とイオンの移動度である。


関連製品

「両極性拡散」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「両極性拡散」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。