半導体用語集

低次元電子ガス

英語表記:Low dimensional electron gas

電子の量子力学的波長(ド・プロイ波長)と同程度の厚さを持っ半導体超 薄膜や超細線などで、電子の定在波が形成され、電子の運動が薄膜に沿う二次元方向あるいは細線に沿う一次元方向に限定された電子系をいう。MOS 界面や半導体へテロ接合、あるいは半導体量子細線などで観測されている。電子の持つ全エネルギーは、自由運動に対する運動エネルギーと、定在波に対応する量子準位のエネルギーの和で与えられる。電子濃度と温度を適当に選べば、はとんどの電子を基底状態にすることが可能である。分子線エピタキシャル成長(MBE)や有機金属気相成長(MOCVD)などでn型のAlGaAsを高純度のGaAs上に成長してへテロ接合を形成すると、AIGaAs中で生成した電子がヘテロ接合のGaAs 側に閉し込められ界面に沿った二次元電子ガスとなる。この時、電子とドナー不純物が空間的に分離されているため不純物散乱が抑制され高い電子移動度が実現される。さらにn型AIGaAs と高純度GaAsの間に高純度のAlGaAs層をスペーサとして挿入すると移動度は飛躍的に増大する。このヘテロ接合にゲート電極を形成すると電界効果型トランジスタができるが、これはHEMT(High Electron Mobility Transistor)と呼ばれている。


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