半導体用語集

低熱抵抗パッケージ

英語表記:low thermal resistance package

 パッケージの低熱抵抗化の手法は,内部熱抵抗の低減,外部熱抵抗の低減の二つに大別される。
 内部熱抵抗の低減方法として,パッケージ構成材料の高熱伝導化,低熱抵抗構造の採用がある。パッケージ構成材料の高熱伝導化は,パッケージを構成するリードフレーム,モールド樹脂,セラミックスなどの部材を高熱伝導化する。具体的には,42アロイ系フレームのCuフレーム化,高熱伝導フィラーの採用,アルミナセラミックスから窒化アルミニウムセラミックスへの変更,高熱伝導ダイマウント材
(はんだ系,ダイヤモンドフィラー入り樹脂など)の採用などがあげられる。また,低熱抵抗構造の採用は.面積の拡大による発熱密度の低減,または熱流パスの短縮化により,内部熱抵抗を低減させる。具体的な方法として,リードフレームパッケージでは,ダイ・パッド・サイズの拡大,ヒートスプレッダの設置,吊りピンの幅広化,ダイパッド-インナリードの直結,リードフレーム層の増加などが,また,セラミックパッケージでは,Cu/Wスラッグ構造の採用がある。MCM(Multi Chip Module)でチップ直下の薄膜配線内に設置するサーマルビア(thermal via)もこの部類に属する。
 一方,外部熱抵抗の低減方法としては,放熱器(ヒートシンクなど)の設置,実装基板へ放熱,冷却条件(風速,冷却媒体など)の変更がある。放熱器の設置は,パッケージの外部に市販の放熱器を設置するもので,放熱器の価格,実装高さの問題がなければ,最も容易に熱抵抗を下げうる方法である。最近のノートブック型PCでは,パッケージの上面を筐体となる金属板と接合し,筐体全体を放熱器として利用する。実装基板への放熱は,通常のアウタリードから実装基板への放熱ルート以外に,別の放熱パスを設け熱を基板に逃がす。パッケージの底面を実装基板と直接,高熱伝導率の接着材で接合したり,あるいは,BGAパッケージで行われるように,チップ直下の領域にダミーのボールを設け,基板への放熱を促進する方法がある。冷却条件の変更は,システム環境下における冷却条件そのものを変える方法で,最も容易に行われるのが風速の増加である。冷却技術そのものを変更する場合には,その外部熱抵抗の制約(発熱密度の増加)に対応して,発熱密度の小さい方から順に自然空冷,強制空冷,伝導液冷,浸漬液冷,沸騰冷却へと移行させる。


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