半導体用語集
光励起気相成長法
英語表記:photo induced vapor phase epitaxy
膜成長中に、成長表面もしくは原料ガスに光を照射することにより、成長温度、膜成長の成長速度、不純物ドーピング効率、欠陥制御、表面モーホロジなどを制御する気相成長法である。光励起気相成長法には、気相中の反応ガスを光励起して成長を制御するものと、成長表面を光励起して表面反応を制御するものに分類される。前者の光励起気相成長法には、 レーザ光を原料ガスに照射し、ガス分子を直接励起または分解するもの、ガス中に水銀分子を混ぜ外部から水銀原子を光励起し、この励起水銀原子と反応ガスの衝突により反応ガスを励起するものなどがある(水銀光増感)。また後者の光励起気相成長法には、化学反応や表面吸着過程そのものを光により制御するものと、光の熱効果による昇温により成長を制御しようとするものがある。用いる光としては、目的に応じて紫外から赤外領域まで多彩であり、水銀ランプ、キセノンランプ、各種レーザ、さらにはシンクロトロン放射光などが具体的な光源として用いられる。光励起のメカニズムについては、これまで多くの報告があるが、一部を除いて必ずしもよく解明されていない。
Si結晶成長では、本成長法は低温成長を可能にする技術として注目されてきた。水銀ランプを光源として 250℃程度での結晶成長など多くの光励起気相成長法による低温化の試みがある。Ⅲ-Ⅴ族結晶の光励起気相成長法では、GaAsの原子層エピタキシーで原料のTMGaと同期させてArイオンレーザを照射することにより成長が促進されることなど、選択成長をも含めて成長速度の制御にしばしば用いられている。ジメチル亜鉛などを用いるⅡ-Ⅵ族結晶ZnSeやZnTeなどの、MOCVD成長中にXeランプなどで結晶表面を照射すると、成長速度が著しく増加する。これは基板表面で、原料分子が光により分解促進されたものと解釈されている。
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