半導体用語集

工ステルイ化率

英語表記:ester rate

g/i-lineポジ型レジストの感光剤として主に用いられるジアゾナフトキノン感光剤の多くは、バラスト化合物と呼ばれる多価フェノール化合物に感光基ジアゾナフトキノンスルフォン酸クロライド(図1 )をエステル結合させて用いられている。この際の多価フェノール化合物の総水酸基に対するジアゾナフトキノンスルフォン酸工ステル置換割合をエステル化率という。多価フェノールとして用いられるバラスト化合物の一例として、2、3、4、4' ーテトラヒドロキシベンゾフェノン (図2)がある。総水酸基は2 , 3 , 4 , 4'ーテトラヒドロキシベンゾフェノンが1分子当たり四つあるが、このうち、二つがジアゾナフトキノンスルフォン酸エステルに置換されている場合、工ステル化率は50 %となる。また、三つが置換されている場合は75 %となる。エステル化率は感光基ジアゾナフトキノンスルフォン酸クロライドとバラスト化合物である多価フェノールを工ステル反応させて感光剤を合成する際 の仕込み比率で計算されることが一般的である。たとえば、多価フェノール のバラスト化合物として2、3、4、4 'ーテトラヒドロキシベンゾフェノンを用いた場合、2、3、4、4'ーテトラヒドロキシべンゾフェノン:ジアゾナフトキノンスルフォン酸クロライド= 1: 3の mo1比率で仕込み、工ステル反応を行った場合、2、 3、4、4'ーテトラヒドロキシベンゾフェノンは4価のフェノールなので,工ステル化率は75 %となる。
(算出式)工ステル化率= (ジアゾナフトキノンスルフォン酸クロライド量 [mo1」) /{ (バラスト化合物の水酸基数)×(バラスト化合物量[mol]}工ステル化率は所望するレジスト特性やバラスト化合物の種類によって最適化される。一般的に、工ステル化率が高いほど、未露光部の溶解速度は遅く、感度も低下するがコントラストの高いパターンがえられる傾向にある。
感光剤のエステル化率の測定はリキッドクロマトグラフィが用いられることが多い。


関連製品

「工ステルイ化率」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「工ステルイ化率」に関連する用語が存在しません。




「工ステルイ化率」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。