半導体用語集
枚葉式研磨装置
英語表記:single wafer type polisher
枚葉式研磨装置は従来から主力として用いられているバッチ式研磨装置にくらべて相対的に装置サイズを小さくできる可能性があること、その基本コンセプト上から完全自動化に対する整合性が高いことなどの理由によって利用され始めている加工装置である。枚葉式研磨装置といった場合、通常は片面研磨装置で研磨加工ヘッド一つについて1枚のウェハを加工するように作られた装置を指していることが多い。 このような装置構成にすることで、バッチ式研磨装置にくらべて研磨布を貼る定盤の大きさをかなり小さくできるため定盤の加工、形状調整、温度制御などがやりやすくなる。このため、加工精度の制御が容易になるが、その一 方で、研磨を効率よくかつ均一にする ためには、ウェハを保持するヘッド側に平行移動なり揺動なりの駆動機構を追加する必要があるので構造が複雑化 する。そのためこの部分の精度を維持することが重要になる。枚葉処理であるために自動化ラインとの整合性が高いというアドバンテージはあるが、研磨そのものを考えると、1バッチ内の枚数が多くても少な くても1回の研磨加工に要する時間は ほとんど変わらない。その結果として、枚葉研磨装置のスループットはどうしてもバッチ式研磨装置にくらべて 劣るものになってしまう。この問題を軽減するために,多くの枚葉式研磨装 置では定盤一つについて加工ヘッドを二つ準備したり、1台の装置に複数の定盤を持たせ、多段階の研磨加工を1 台の装置内で流れ作業式に進めるなど の工夫がなされているが、量産用のバ ッチ式研磨装置の場合では少なくとも 20枚程度のウェハを1バッチで加工するように作られているので装置1台 当たりの生産性ではなかなか太刀打ち できないのもまた事実である。ところで、こういった枚葉式研磨装置はシリコンウェハ製造メーカーではかなり以前から検討されており、一定 の規模では使用されてきたが、必ずしも主流にはなっていない。今日では枚 葉式研磨装置はむしろLSIメーカーでのCMP(Chemical Mechanical Planarization) 加工装置として一般化し、普及している。これは、ウェハ メーカーの鏡面研磨加工が合計で10 μm以上も加工するのに対して、 LSI 製造工程のCMP加工ではほとんどの場合10μm以下の加工であるので装置内でのウェハハンドリング時間に対する純加工時間の占める割合が低く、スループットがそれほど低下しないことと、ウェハメーカーの研磨加工がウェハ裏面基準で平坦度を作るのに対して、LSI製造工程のCMP工程では平均表面基準の加工であるためにヘッド側の構造の剛性に対する要求が相対的に厳しくないという違いによるものと考えられる。
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