半導体用語集

極微細描画

英語表記:ultra fine patterning

数10nm以下の極徴細なパターンを描画することを極微細描画という。最も細いビームを用いて極徴細描画ができる装置としては、走査型トンネル顕微鏡(STM: Scanning Tunneling Microscope) がある。 探針と基板とをnm以下に近接させて、両者間に電圧を印加した際に流れるトンネル電流(電子ビーム)を使ってパターン形成を行う。トンネル電流は、探針先端の1個の原子から放出されるため、 その径はきわめて小さく、数nm程度の極微細パターンの形成が可能になる。しかしながら、この装置では、電子ビームの走査を探針を機械的に走査することで行うため、露光スループットが著しく低い。このため、現実の極 徴細描画では、フィールドエミッション型電子銃からえられる0.5 nm径程度の微小な収束ビームが用いられる。解像度の決定要因は、①ビーム径、 ②レジスト層中での電子の前方散乱、③基板からの後方散乱、④散乱に伴う二 次電子の飛程および⑤レジスト材料固有の解像限界などがあげられる。レジストを50nm以下の薄膜にすることで、電子の前方散乱を抑え、20nm程度のパターンを形成することが可能になる。有機高分子からなるレジスト材料では、分子間の凝集などにより、20nm程度が限界になっているため、 10nm以下のパターンをえるためにはレジスト材料の工夫が必須である。①レジストの分子量を数100程度に小さくする、②有機単分子レジスト、③Si酸化膜などの無機レジストを用いることにより、10 nmのパターン形成も可能となっている。高真空中の有機ガスをビーム照射によって堆積する方法では、 2nmのパターン形成が報告されている。多層レジストプロセスにより、後方散乱電子を弱めることも効果がある。また、徴細パターンの解像限界を決定する要因としては、露光光源からのビーム強度ゆらぎが指摘されている。徴細パターンになればなるほど、パターン内に照射される電子ビームの数が減少する。この統計的なゆらぎのために、右回咸心、度スレジストや感度の高くなるイオンビーム露光では、高精度の徴細パターン形成が困難になると考えられている。


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