半導体用語集

測長走査型電子顕微鏡法

英語表記:critical dimension scanning electron microscopy

 超LSIのプロセス管理を高精度で行うには,各種のパターン(マスク,フォトレジスト,エッチング後の膜など)寸法をインラインで計測する必要がある。これらの計測は完全自動で迅速に行う必要があり,かつ測定後にはウェハを製造プロセスに戻す必要がある。したがって,パターン測定には精度・速度・再現性・非破壊などの項目が要求される。走査型電子顕微鏡をベースして,超LSIのパターン寸法計測用の専用装置が開発されている。測長走査型電子顕微鏡と呼ばれており,超LSIのプロセス管理にはなくてはならない装置となっている。
 非破壊検査であるから電子線照射による損傷発生や絶縁膜試料のチャージアップを避ける必要がある。そのため1keV以下の低エネルギーで観察・測定が行われる。超LSIに必要な測定精度(5nm以下)を満足するため,低エネルギー領域で高い空間分解能を示す減速型コラムが使われている。インラインの製造プロセスで使用するには長時間の安定稼働も必要項目となる。そのため,電子源周囲の雰囲気(真空度・残留ガスなど)に左右されにくい熱陰極電界放出電子銃が用いられている。
 寸法測定においては,あらかじめ登録されている基準画像を基にパターン認識を行い測定パターンを検出して自動測定を行う。測定終了後にはウェハは自動的に送り出される。平面的寸法だけでなくパターンの断面形状も測定することが可能である。この場合,傾斜角度を変えて走査型電子顕微鏡像を観察し,それらを重ね合わせてそのずれ量から三次元形状を算出している。
 測長走査電子顕微鏡装置は搬送系・真空系などの本体とユーザーインタフェース,ワークステーションなどから構成されている。クリーンルーム内部に設置されるため,防塵処理が施され,かつ設置面積を小さくするなどの工夫がなされている。


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