半導体用語集
準結晶
英語表記:Quasicrystals
結晶は、単位格子を周期的な並進操作によってそれ自身に重ね合わすことができる(並進対称性)構造を有する物質の形態であるが、回伝操作としては普通1、2、3、4、6回対称の回転操作のみが可能である。それに対し、並進対称性を有しながら、通常許されない5回対称または7回、10回などの回転対称性を併せ持つ構造を有する物質の形態を準結晶という。この場合の並進操作は準周期的なものとなる。通常の結晶と同様X線回折においてブラッグ反射を生しるが、準結晶の逆格子を構成するのに必要な逆格子基本べクトルの数は、準結晶の次元数よりも大きい。
準結晶は、1984年にシェヒトマン(D. Shechtman)らにより、急冷したA1-Mn 合金の準安定相として初めて見い出された。A1-Mn 合金で見い出された構造は、ペンローズ格子として知られる5回対称性を有する三次正二十面体準結晶相(正二十面体相)であるが、この型の準結晶として他に、A1-Cr、A1-V、A1-Li-Cu、A1-Cu-Fe、Mg-Ga-Znなどがある。この他に知られている準結晶は二次的準結晶であり、二次元面内で準結晶としての各対称性を有するが、面に垂直な方向については周期的な構造を有する。二次元準結晶として、正十角形相(例、A1-Mn、A1-Fe、A1-Cu-Ni)、正十二角形相(例、Cr-Ni、V-Ni-Si)、正八角形相(例,Cr-Ni-Si)などが知られている。準結晶は必ずしも準安定相というわけでなく、A1-Li-Cu、A1-Cu-Fe、Mg-Ga-Zn、Al-Cu-Niなど、熱力学的安定相としてえられるものもある。
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