半導体用語集

焦点・非点補正

英語表記:focus/astigmatism revision

 アパーチャで成形されたビームをウェハ上に結像するように、対物レンズの強度を調整することを焦点合わせという。非対称電磁界、レンズのミスアライメントで発生した非対称収差を補正することを非点補正という。
 焦点補正は一般的にウェハ直上の対物レンズの磁界または、電界を変え、レンズの強度を変えて行う。レンズの正焦点位置は電子ビーム描画装置の場合、校正マーク台上の重金属を成形された電子ビームで走査し、重金属から放出される二次的な信号を半導体検出器、マイクロチャネリングプレートなどを用いて検出し、検出波形の微分値が最大になるようにレンズの強度を調整する。また、磁界レンズのポールピースの加工精度、組立精度、材料の不均一性による非対象磁界、電界レンズによる加工精度、組立精度による非対象電界により非点が生じる。通常は非点補正装置は8極の磁界または電界を図1のように印加し、ビームの形状を成形する。
   V₁ = Vs₁ + Vs₃
   V₂ = Vs₂ - (Vs₃+Vs₄)/√2
   V₃ = -Vs₁ + Vs₄
   V₄ = -Vs₂ + (Vs₃-Vs₄)/√2
   V₅ = Vs₁ - Vs₃
   V₆ = Vs₂ + (Vs₃+Vs₄)/√2
   V₇ = -Vs₁ - Vs₄
   V₈ = -Vs₂ + (Vs₃-Vs₄)/√2

Vs₁、Vs₂は二次の非点収差、Vs₃、Vs₄は三次の非点収差に対応する値である。
 非点補正は、0°方向にビームをライン走査した時の焦点位置と、90°方向にビームをライン走査した時の焦点位置が同じ位置になるように、0°-90°方向電極(V₁-V₅、V₃-V₇)の電圧を調整する。同様に、45°-135°方向の非点も45°-135°方向電極(V₂-V₆、V₄-V₈)の電圧を調整する。またウェハ上の位置決めは対物偏向器で行われる。偏向前の電子ビームが最適条件に焦点、非点が調整されていても、偏向収差により、電子ビームは非点と焦点ずれを生じる。この収差は偏向角度が大きくなると顕著になる。これを補正するために偏向位置に応じて、レンズのダイナミックフォーカスと組み合わせた非点補正も必要になる。

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