半導体用語集

熱抵抗の定義

英語表記:definition of thermal resistance

 ジャンクション温度(Tj)と周囲温度(Ta)の差(⊿T)を半導体素子の全消費電力(Q)で割った値をパッケージの熱抵抗(Θja)という。単位は(℃/W)または(K/W)である(下部画像 式(1)参照)。

 熱抵抗の値から,半導体素子にあるパワー(消費電力)を与えた時のTjを見積ることができる。いい換えれば,パッケージの熱抵抗とは,デバイスに1Wのパワーを与えた時の,半導体素子(ジャンクション)と周囲(外部)との温度差(⊿T)を示す量である。
 熱抵抗は半導体素子のジャンクションからパッケージ表面(ケース)までの熱抵抗Θjc(内部熱抵抗)とパッケージ表面(ケース)から外部(周囲)までの熱抵抗Θca(外部熱抵抗)の二つの成分に分解できる。これを数式で表わすと下記のようになる(下部画像 式(2)~(4)参照)。

 内部熱抵抗Θjcはパッケージ内部の構造や材料によって,また外部熱抵抗Θcaは実装形態や冷却方法によって変化する。
 パッケージの熱抵抗は式(2)のように書かれるが,これはあくまで単純化した一次元モデルでの話であり,三次元の複雑な形状を呈する実際のパッケージではΘjcとΘcaの両者を完全に分離して議論することはできない。なぜなら,Θjcの値はパッケージの場所によって異なり,同じくこれに対応する様々な値のΘcaが存在するため,統一的な取り扱いができないからである。しかし,ΘjcとΘcaの和である全熱抵抗Θjaは,一義的に決まるため,パッケージの放熱特性を示す指標の代表値としては,一般にΘjaを用いる。


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