半導体用語集

熱的洗浄

英語表記:thermal cleaning

シリコンの再構成表面( (100)面: 2 ×1、(111)面: 7x7など)をえるために、シリコンを超高真空中で 1000 ℃以上に加熱して、表面に付着している自然酸化膜などの不純物を除去する方法が用いられることがある。しかし清浄な再構成表面は超高真空中でのみ維持されるので、実際の半導体素子製造工程において用いられることは今のところない。自然酸化膜の除去法として実際に用いられているのは、シリコンウェハ上にシリコンの工ピタキシャル成長を行う前に行う水素アニール処理である。これは大気圧の水素雰囲気中にウェハを曝し、1000℃程度まで加熱して、ウェハ表面の酸化物を遠元除去するものである。減圧の水素雰囲気中では800℃程度まで低温化できるという報告もある。このような洗浄を行った後に直ちにエピタキシャル成長を行うと積層欠陥の少ないシリコン膜が得られる。この水素雰囲気中での熱処理直後にはシリコン表面は原子スケールで平坦に水素終端されている( (100)面の場合、2×1: H)ことが明らかにされている。金属不純物を極端に嫌うゲート酸化膜形成工程においては、形成前に塩素系のガス(塩素(Cl2)や塩酸 (HCI)など)雰囲気中で熱処理を行い、金属不純物を塩化物として表面から脱離させ、その後直ちにゲート酸化を行う。またはこのゲート酸化を酸化剤と塩素系ガスの混合ガス雰囲気中で行い(塩酸酸化)、ゲート酸化膜の形成と金属不純物の除去およびその再付着の抑制を行うという方法は一般的に用いられている。しかしこれらの洗浄方法は被洗浄ウェハ表面にほとんどパターンの形成されていないものを対象としており、その後行うプロセス(主として成膜)においてもこの洗浄時にウェハに与える温度以上の熱処理を行う場合に限られ、一般的なドライ洗浄法にはなっていない。しかし最近300℃の低温で有機金属ガスである1、1、1、5、5、5-へキサフロロ-2、4-ベンダンディオネ(H+hfac)をウェハ表面に曝露し、表面の鉄や鋼などの金属不純物を揮発性の化合物へと反応させ、除去するという方法も報告されている。


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