半導体用語集

疎密効果

英語表記:effects of pattern density

近年の素子の微細化、高均一化への要求に伴い、レジストパターン寸法の疎密依存性が無視できなくなってきた。そのため、パターンの疎密により生じる寸法の変化(乖離)を補正する必要が高まった。疎密依存性は光露光時および電子ビーム(EB)露光時の近接効果の影響に加えて、エッチング時に生じる場合もある。補正する方法として、一般的には近接効果補正 (Optical Proximity Correction .
OPC, Process Proximity Correction .PPC)と呼ばれるCAD (Computer Aided Design) ツールなどにより、マスクパターンデータやEB描画データをあらかじめ補正することにより行われている。補正量は、疎密依存性の実験結果やシミュレーション評価を基にそれぞれのパターンの疎密環境に応じて決定する。光近接効果の補正量としては制御するパターン寸法の10数%以下である。光近接効果の影響はマスクパターンにより生じる光の回折光がそれぞれのパターン間でお互いに干渉する(強め合ったり、弱め合ったりする)ことにより生じる。つまり、同一寸法の設計パターンであってもパターン間距離 (疎密)が変化すれば、干渉の条件が異なるためウェハ上のレジストパターン寸法が変動する。また、この疎密依存性(変動量など)は露光装置の光学条件(露光波長、投影レンズ開口数、照明系開口数、光源形状、レンズ収差など)や、レジストの特性により大きく変化する場合がある。さらに、エッチング装置、プロセスの改良によっても、疎密依存性が変化する。集積回路素子のプロセス技術として寸法精度向上のため、OPC技術を導入することが必須となりつつあるが、補正すべき量をいかに決定するかということが最も重要な課題である。


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