半導体用語集
発振回路
英語表記:oscillator circuit
増幅回路の出力から入力に信号を戻した時,入力点でみた位相差が0となる周波数があり,このループの利得がその周波数で1を超えれば発振する。 したがって,増幅器が正相増幅である場合には発振させたい周波数を選択的に戻す回路をフィードバック回路に設ける。増幅器が反転増幅器である時には,発振させたい周波数で180度位相が反転する回路をフィードバックループに設ける。このフィードバック回路は一種のフィルタで,これを容量と蓄電器で構成するとCR発振器,コイルと蓄電器で構成するとLC発振器,水品振動子を用いると水品発振器と呼ばれる。水晶振動子の代わりにセラミック振動子を用いるものもある。
正相増幅器を用いた発振回路は,負帰還路に出力振幅を制限するフィードバック回路を付加して,主として歪の少ない正弦波発振器を実現することを目的としている。集積回路では主としてクロック信号を発生するためのものであるので,用いることはまれである。反転増幅回路を用いた発振回路が用いられる。また,マイクロへンリーのオーダを持つコイルを集積回路内に作るのは,非常に大きな面積が必要となり基板の誘電損失もあるので,GHz未満では用いない。
通常では集積回路の抵抗や容量はトリミングしなければ20%内外のばらつきがあり,精度よく製作することは困難であるので,CRを外部接続するか,水品発振器やセラミック発振器をクロックの発生に用いる。たとえば,たいていの機器には時計が付属しているので,時計用のクロック32kHzを水品発振器で作り,PLLにより逓倍してCPUのクロックをえる。しかしキースキャンなど精度を要しないクロックはCR発振器により発生させることもある。
CR発振器には反転増幅器を2段もしくは3段用いたものもあるが,帰還信号によって反転増幅器の入力電圧が定格を超える危険があるので,シュミット回路を用いた図1のような発振回路が用いられることが多い。この回路の動作は,最初入力が0とすると,出力は1となる。この出力は抵抗を介して容量を充電して,シュミットバッファの入力電圧を上げていき,しきい値を超えたところで理論0に出力が反転する。すると今度は容量から抵抗を介して放電を開始し,しきい値を超えたところで再び論理1に反転する。C,Rを調整することで広い範囲の周波数で発振させることができる。
水晶発振回路(図2)と水晶の簡単な等価回路を図3に示す。インバータにバイアスを与えるフィードバック抵抗と外づけの水晶振動子と容量により構成される。水晶振動子の等価回路に対する定数は水晶振動子のメーカーより入手することが出来る。
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