半導体用語集

真空紫外光吸収分光

英語表記:vacuum ultra violet absorption spectroscopy

真空紫外光 (波長200nm以下) を用いた吸収分光法により,プラズマ中などに存在する粒子の密度を計測する方法を真空紫外光吸収分光という。したがって、真空紫外領域に励起準位から基底準位への遷移スペクトルを有する原子(H、O、F、Nなど)の密度計測に適応される。一般に、吸収分光測定を行う光源としては、測定対象となる粒子と同じ粒子の発光スペクトル線が利用される。たとえば、H (121.6nm)、C(165.7nm)N 、(119. 9nm)、0 (130.4nm)、F (95.9nm) などのスペクトル線が使用される。光源としては、ホローカソード放電管に上記原子を含むガスを導入して直流放電させる方法、他の高周波あるいはマイクロ波励起プラズマを用いる方法や真空紫外領域の波長のレーザを用いる方法が用いられている。装置の簡便さからホローカソード放電方式が一般的である。
光源から放射された真空紫外光は、プラズマ反応容器中に導かれ、被測定原子による吸収を受けた後、真空紫外分光器によって検出される。この方法において注意すべき点は、吸収分光の対象となる原子の吸収スペクトルが熱運動によって広がりを持っているだけでなく、光源からの発光スペクトルも広がっている点である。特に、真空紫外分光器の波長分解能は光源や吸収体のスペクトル広がりよりもはるかに劣るため、検出される信号は光源の発光スペクトルの広がりのすべてを積分した量となる。吸収スペクトルが光源スペクトルと異なった広がりを持つことによる測定結果への影響を考慮することが必要である。また、光源が光学的に厚い場合、光源から発せられた光が光源内部で吸収され(自己吸収)、発光線のスペクトルがひずんだプロファイルとなり、全体密度の算出を正確に評価することが不可能となる。光源は光を取り出す方向に対して長さを持たない構造にすることや、光源中の発光粒子数を低くするなどの対策が必要である。


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