半導体用語集
瞬間熱アニール
英語表記:RTA : Rapid Thermal Anneal
数10秒から数マイクロ秒の間で瞬間的に熱を加えて行うアニールのこと。1枚づつのウェハを熱容量の小さなチャンバに導入し、主に赤外ランプなどの熱源で急激に温度を上昇させ、また急速に温度を下降させて行う。単純には温度と時間の関係で決定される“サーマルバジェット”という言葉で表わされる拡散と不純物活性化の過程であるが、実際には結晶内に存在する格子欠陥の拡散・結晶回復と不純物の移動、拡散との競合過程は温度によって、不純物の種類によって、酸素や炭素など着目しない不純物の濃度によって異なってくる。瞬間熱アニールを行う理由は不純物の活性化をできるだけ高くして、拡散は抑えるということにある。最近のRTA装置の性能向上によってより温度を高くして、たとえば1秒とか、0.5秒とかの、いわゆる“スパイクアニール”が実現できるようになった。研究段階では毎秒100万℃の急激な温度上昇を実現した例もある。実際には毎秒200℃くらいの昇温が可能。また、アニール雰囲気の中で酸素濃度の制御も重要である。古くから知られているように、酸素の分圧を余り少なくするとシリコン表面にエッチピットが発生する。ただし、酸素分圧が多いと酸化が同時に発生して酸化増速拡散が発生する。
またバッチ処理の電気炉でも高速昇温、降温が提案されている。FTPS(Fast Thermal Processing System)として昇温時毎分100℃、降温時毎分60℃。自然酸化膜増加抑制、サーマルバジェット低減がねらいである。50枚が一度に処理できる魅力は実用的である。
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