半導体用語集

空間周波数変調型位相シフト露光法

英語表記:alternating phase-shift mask

空間周波数変調型位相シフト露光法は、渋谷氏、レベンソン氏らにより提唱、実証されたことから渋谷ーレベンソン型、レベンソン型位相シフト露光法といわれている。これは、フォトリソグラフィマスク上において、隣接する1対の開口部の一方に位相シフタを設け(位相シフトマスク)、開口部を透過した光の一方の位相を反転させて露光を行う露光方法である。開口部を透過した光は、互いに位相が反転しており、このため重なり合った光は打ち消し合い、光強度が0もしくは低下する。通常のマスクによる露光法では、パターン周期の小さいパターンの開口部間の遮光部が、開口部の回折光などの影響により部分的に光強度が存在し、パターン分離が十分行われない場合がある。開口部に位相シフタを交互に配置する位相シフトマスクを用いることにより、開口部を透過した光は互いに位相が反転しており,遮光部での光は互いに打ち消し合い光強度が低下し、互いのパターン分離がされやすくなる。したがって、空間周波数変調型位相シフト露光法は、通常の露光法とくらべ限界解像や焦点深度の向上が図れる。これは、光の位相を180。変更(シフト)しており、通常法に対し1/2の回折角を持つ光が発生するためである。また、徴細の繰り返しパターンでは0 次光が発生せす,土1/2次光の2光束干渉となるからである。原理的にいえは空間周波数変調型位相シフト露光法は、通常露光法の2倍の解像力を持っており、このことからも超解像露光法の中でも強い超解像に分類される。位相シフタは、通常180。とすることにより効果が最大になるため、通常マスク上では0。と180。の2種類が存在している。しかしその反面、0。と180。のシフタ工ッジが開口部に存在した場合、このシフタエッジ部の光強度は0となるため不必要な部分が転写されてしまう。この性質を利用して、 シフタの工ッジ部を転写させ徴細なパターン形成をするシフタェッジ転写技術もある。このシフタ工ッジ転写を抑える技術として、シフタエッジを遮光部に配置する方法もある。この場合は、ウェハ上のレジストがポジ型の場合には、ホール系のパターンに適用し、ライン系への適用には、ウェハ上のレジストにネガ型を用いればよい。他の方法としては、シフタ工ッジが転写されないように、0°、180。の位相シフタだけではなく、シフタ工ッジ部の位相差を90°としてしまう0°、90°、270°や0°、90°、180°、 270°といった多段の位相シフタを使用する方式もある。また、シフタエッジを消去するために、2枚のマスクを使用した2重露光の方法も提案されている。この他の使用上の難しさとしては、パターン周期が大きい場合には効果が少ないためシフタ配置の制限をしたり、シフタが交互に配置できないなど、配置制限があり自動配置が困難という問題がある。この他、位相シフトマスクの欠陥検査、欠陥修正、マスク面内の位相差均一性といった課題もある。


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