半導体用語集

絶縁破壊モード

英語表記:dielectric breakdown modes

 酸化膜の絶縁破壊には、いくつかのモードがあることが知られている。初期不良、偶発不良、磨耗不良である。これは、信頼性一般で取り扱われるバスタブカーブを構成する。しかしながら、実際に長期信頼性試験をデバイスごとにすべてやっていては時間がきわめてかかるので、これを簡単にみるために、酸化膜に電界をかけていった時に、どの電界で酸化膜が破壊するかを調べる試験がよく行われる。これによって酸化膜の強さを表わそうというものである。1∼2MV/cmの低電界で破壊してしまうのはAモードであり、それ以上3∼8MV/cm程度の範囲で破壊するのがBモード、それ以上の高電界で破壊するものをCモードと呼ぶ。これを絶縁破壊モードという。実際に、多くのMOSキャパシタでこのテストをしてみると、三つのピークが存在するヒストグラムがえられる。これらのモードは、長期信頼性試験であるTDDB試験(Time Dependent Dielectric Breakdown test)との対応でいえば、Aモードで初期不良、Bモードは偶発不良、Cモードは磨耗不良、つまり真性破壊に対応する。必ずしもこれらの間の微視的対応は明らかでないが、実験的にはよく表わされており、また直感的にもうなづけるであろう。BモードとCモードの差は、酸化膜中の欠陥の意味による違いであると思われる。つまり酸化膜はアモルファスであるから本質的に構造欠陥を内在している。この構造欠陥による破壊はCモード破壊であろう。それとは異なり、酸化膜中の外因的欠陥、つまり何らかの不純物(初期不良にならない程度に局所的に酸化膜質に影響を与えるような不純物)、界面の平坦性、シリコン基板の析出物の影響、あるいは電極の影響など、SiO₂を局所的に弱くしている欠陥が含まれている時にBモード不良を引き起こすものと考えられる。その意味でBモード不良を抑制することが現実的に重要であり、たとえばシリコン基板中のCOP(Crystal Originated Particle)と呼ばれる正四面体構造をした空孔の存在が Bモード破壊ときわめて強い相関を持っていることがわかっており、基板シリコンの改善がその上の酸化膜の信頼性に大きく効いていることがわかってきている。

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