半導体用語集

自己スパッタリング

英語表記:self sputtering

低エネルギーの領域になると、イオンのレンジがごく表面に限定されるため、いったん注入されたイオンが同じイオンによってスパッタリングされる現象が発現する。一般に1keV以上のイオンをシリコン表面に注入するとスパッタリングが生じシリコン表面が剥離されてゆく。その量はおおむねスパッタリング収率を1とすると、注入した分だけスパッタリングされる。5×1015cm-2注入すれば、数モノレイヤのシリコン層が失われる。顕著な場合はヒ素(As)を5×1016程度、6keVという低エネルギーで注入すると、おおよそ半分のAsが失われるという事実がある。これは極端な例ではあるが、低エネルギーでイオンやプラズマによって不純物の注入を行う場合には考慮しておくべき間題である。


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