半導体用語集

自然酸化除去

英語表記:native oxide removal

自然酸化膜とは、大気中や純水リンス中においてシリコンウェハ上に成長してしまうシリコン酸化膜のことをいう。室温近くで自然酸化膜が成長するためには、大気中、純水中においても水と酸素が共存しなければならないことが示されている。すなわち、大気中においては大気中の酸素と湿気、純水中においては水と純水中の溶存酸素である。逆にいえばどちらかを低減すれば、自然酸化膜の成長は抑制することができる。この自然酸化膜は不完全な酸化条件下で成長するので、その構造は純枠な酸化膜ではなく、多くの物理的、化学的な欠陥を含む。対して、SC1やSC2処理などの洗浄溶液中で、シリコン表面に形成される酸化膜のことを化学酸化膜と呼び、自然酸化膜と区別する場合がある。ここでは両者を含めて自然酸化膜とする。この高々1nm程度の膜厚のいらない自然酸化膜の存在に起囚する間題が近年顕在化してきた。これは素子の微細化に伴い、種々の膜の厚さが薄くなってきたことや、電極などの面積がますます縮小されてさたことに起囚する。すなわち、成膜前のシリコン表面に自然酸化膜が存在すると、これが原因となって膜が異常成長したり、構造欠陥密度の高い膜が成長したりする。たとえばゲート酸化膜の膜厚が5nm程度となった今、膜厚1nmの自然酸化膜の構成比は約2割にも達し、これが悪影響を及ぼすことは容易に推察できる。また、タングステンなどを選択CVD (selective Chemical Vapor Deposition)により電極孔に埋め込む場合、孔底のシリコン表面に自然酸化膜が存在すると成長させることができなくなる。さらにこのような徴細な孔の底の自然酸化膜を除去するためには、従来用いられてきたフッ酸系溶液を用いた場合、溶液と孔の側壁や底部の間に作用する表面張力の影響で溶液が入り込むことが難しいこと、また入り込めても新鮮な溶液との循環がうまく行われずウェハ面内で均一な処理を行うことが難しいこと、さらに洗浄が終了して引き続き行う純水リンス工程で溶液が孔内からうまく排出することが難しいなどの問題がある。 ここで孔底の自然酸化膜が完全に除去されていないと、この後電極材科を埋め込んだ場合にコンタクト抵抗の増大を招き問題となる。ここでは、ウェット、ドライ両方の洗浄を含めて自然酸化膜除去法を紹介する。


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