半導体用語集

荷電中和法

英語表記:charge neutralization method

電界で加速されたイオンを中性化するには、荷電交換と電子付着がある。
荷電交換法では、高速イオンが熱運動をしている中性粒子と衝突すると、イオンは荷電を中性粒子に与え、自分は高速中性粒子になる (A+十A/B → A十A/B+)。 この方法を用い、Ar十 CHF3のECRプラズマ源から生じた正イオンを試料輸送での荷電交換により中和させ、さらに、試料表面に設けたグリッドにより、電子と残留正イオンを除去する。本方法でSi02/Siを 20nm/分のエッチング速度、選択比が20の0.25 μmL&Sパターンを加工した例がある。最近は、ECRイオン源を同軸型やタンデム型にして、イオンとラジカルの生成部を分離し、エッチング速度を60nm/分まで向上させた。しかし、グリッドからの汚染は懸念される。
他に、平行平板型の陰極やICP (誘導結合型プラズマ)の下部電極に一3 kV程度の高電圧を印加し、C12を放電させて生じた塩素イオンをこれらの陰極や下部電極のシースで加速し、グラファイトで作られた厚い陰極や下部電極にImm径の高アスペクト比の孔 を開け,その中で電荷交換を起こさせて、原子や分子ビームを取り出す方法もある。この方法で、1012~1013分子/cm2のビーム朿がえられ、ステンレススチールのマスクによりGaAs の転写工ッチングが行われた。
高速ビーム源としてサドルフィールド型ビーム源が知られている。これはグラファイト製容器の中にグラファイト製の2本の棒を平行に並べ、これと 容器に高電圧を印加すると、 2本の棒の中央に生じたポテンシャルの鞍(サドル)点を中心として電子が8の字型の軌道を描き、鞍点での高速電子によりAr+イオンが生成される。Ar+イオンが容器の一部のグリッドを通して出射される際、グリッド附近で電子が反転して鞍点に向かう際、電子のエネルギーが低くなるので、その時電子がAr+イオンに付着して高速中性Arビームを生成すると考えられる。これでは出射ビームの80%が原子になってるといわれている。


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