半導体用語集

融液結晶成長(成長機構)

英語表記:liquid phase crystal growth

気相成長のような希薄な環境相からの結晶成長は、原子が一個一個結晶に取り込まれて行く単独原子過程が成長の要素過程である、という描像でとらえられている。これに対して、融液からの結晶成長の場合は、いくつかの原子の集団が結晶に取り込まれる集団原子過程が成長の要素過程として重要であり、成長界面は、数原子層の厚みを持ち、緩やかに結晶の秩序に近づく、連続界面であると考えられている。しかし、方向性を持った非対称分子からなる結晶成長の場合は、希薄環境相からの成長と同様に、単独原子過程となる可能性がある。単独原子過程によって融液成長が起こる場合には、第0近似として、固液界面を1原子層の厚みの不連続界面とみなすモデルがある。
Jackson理論は、二次元格子模型を用いて、平衡状態の不連続界面の荒れの問題を考えている。融点における系の自由エネルギーを1原子層の凸凹を持つ界面に相当する二次元格子を占める結晶原子の占有率ηの関数として表したもので、その振る舞いは、物質の種類と界面の方位で決まるジャクソンパラメータαによって二つに大別される。
   α=(Z’/Z)・(⊿S/R)
ここで、⊿S は1モル当たりの融解エントロピー、R は気体定数、Z’/Z は結晶内の最近接格子点数Zに対する界面の二次元格子内の最近接格子点数Z′の比である。この時、α>2の物質は、占有率ηが0か1の時に自由エネルギーは極小値を持ち、すなわちほとんどの格子点は空か、原子で満たされていることを示し、凸凹のない平滑界面の状態をとると考える。一方、α<2の場合には、占有率ηが0.5で極小値を持つことから、荒れた界面状態が安定な状態になると考えられる。


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