半導体用語集
表面エキシトン
英語表記:surface exciton
表面エキシトンボラリトンの意味で用いられることもあるが、狭義には工キシトンの励起エネルギーが表面近傍で変化することによって生しる、表面近くに局在したエキシトン状態を指す。比較的簡単な場合は、表面で緩和や再構成が起こらす、主に電子-正孔対に働くクーロン相互作用が表面の影響で変化する場合である。この場合、クーロン表面エキシトンとも呼ばれる。エキシトン半径が小さく、フレンケルエキシトンとして記述が可能な場合、エキシトンの波動関数を構成原子(分子)内の電子の励起状態の線型結合で展開し、クーロン相互作用を摂動として扱うと、エキシトンのエネルギーの補正は双極子を最低次とする多重極間相互作用とみることができる。表面より外には双極子相互作用をする相手がいないことがエキシトンのサイトシフトエネルギーの変化の原因となる。
これかられを有効誘電率の変化と解釈すればワニエエキシトンの場合にも束縛エネルギーの表面近傍での空間的な変動として説明できる。表面エキシトンの観測は、全反射領域における反射スペクトルの異常や表面をコートした場合と、しない場合の薄膜の透過スペクトルの変化などによって行われる。前者の場合、表面エキシトンとバルクエキシトンによる反射光の干渉として解釈される。また、後者ではコートすることによって消失する吸収ピークが表面エキシトンと解釈 される。ごく最近では、緩和した表面での電子一正孔対の生成が、その緩和を解消しようとすることによって、強く格子と結合することが理論的に示されている。このような表面特有なエキシトンー格子結合を示す系も、新しい表面工キシトンの分野として発展が期待される。
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