半導体用語集

表面トンネルトランジスタ

英語表記:STT : Surface Tunnel Transistor

 半導体表面に形成したバンド間トンネル接合を流れるトンネル電流をゲート電極で制御するトランジスタ。トランジスタ特性には、トンネルダイオード(江崎ダイオード)と同様に負性抵抗(NDR)特性が現われる。ゲート下の二次元電子ガス(2DEG)チャネルと、p型不純物を高濃度に含み縮退したドレイン領域との間に、非常に薄いバンド間トンネル接合を形成している。ソースはn型またはドレインと同じ縮退したp型半導体である。ゲート電圧によりチャネル電子濃度およびトンネル接合の幅を変化させ、トンネル電流を制御する。トランジスタ特性はバンド間トンネル接合部分で決まるため、バンド間トンネル接合の幅程度(約10nm)までゲート長を短縮することが可能であり、ゲート長ばらつきにも強く、素子の微細化に適する。また、トンネル接合のバリア高さは半導体の禁止帯幅で決まるため、代表的な半導体であるGaAs、InGaAs、Siでは室温動作がえられている。NDR特性のピーク電圧は0.1V程度と小さいため、低電圧動作(低消費電力)の機能回路が期待できる。さらに、ソース・ドレイン間に複数のバンド間トンネル接合を有する多重接合表面トンネルトランジスタ(MJ-STT)も開発され、多重のNDR特性を利用することによる多値論理回路への応用が検討されている。

関連製品

「表面トンネルトランジスタ」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「表面トンネルトランジスタ」に関連する用語が存在しません。




「表面トンネルトランジスタ」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。