半導体用語集

表面マイクロラフネス

英語表記:surface roughness

鏡面研磨されたシリコンウェハ表面の平均粗さはおおむね0.1nmと、原子レベルで平坦である。シリコンウェハ表面近傍に形成するトランジスタは、ウェハ表面が平坦であるという前提で作製されるので、洗浄工程においてウェハ表面の平坦度が損なわれるようなことがあってはならない。SC1処理はウェハ上のパーティクルや有機汚染物の除去に用いられるが、その洗浄機構の一つとして、この処理によりシリコンやシリコン酸化膜がわずかにエッチングされることによるリフトオフ効果があげられる。一般にSCIのようなアルカリ性溶液中でのシリコン表面のエッチングは結晶面方位の依存性があり、(111)や(110)面のエッチングレートは遅く、(100)面のエッチングは速い。通常素子作製に用いられるシリコンウェハは(100)面であるので、エッチングは(111)や (110)面を残すようにエッチングが進行するために、結果として表面のラフネスは増大する。ゲート酸化膜を想定し、10nm以下の熱酸化膜をこのようなシリコン表面に形成した時、酸化膜の表面のラフネスもシリコン表面のラフネスを反映することが明らかにされている。またこのようなシリコン酸化膜・シリコン界面のシリコンの凸部は局所的に膜厚が薄くなっている可能性があるので、そこがウィークスポットとなり、耐圧不良、リーク電流の増大などが生じる。SC1処理でのシリコンやシリコン酸化膜のエッチング量を抑制するために、アンモニア水や過酸化水素水の濃度を1桁から2桁下げた場合に、シリコン表面のラフネスはほとんど増加せず、またパーティクルの除去率も低下せず、むしろ若千増加していることが明らかにされ、この方法は実用に供されている。これにより、薬液使用量も減少するためコストダウン、環境問題の見地からも非常に有用である。


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