半導体用語集

超熱ビーム法

英語表記:hyperthermal beam method

 本方法は、前述の原子・励起分子ビームをより積極的に並進エネルギーを持たせ、超熱 (hyperthermal) ビームにして照射する方法である。Cl₂分子やCl₂/He混合ガスをセラミック (アルミナ)管ノズルから超音速で噴出させ、スキマーを通してえられた Cl原子を加熱したSi基板に照射する。 並進エネルギーの変化や原子を生成するにはセラミック管の温度を変える。3.0eVの並進エネルギーのCl₂分子を670℃に加熱した多結晶Siに照射し、異方性形状が達成された。本方法は主に反応機構解明研究にも適用され、エッチングを起こす並進エネルギーのしきい値は、Cl₂の場合は2.0eV以上だが、Cl原子の場合はそれ以下の値になることなどわかった。
 超熱ビームはレーザ照射を用いても生成される。本方法では石英板を20 k程度に冷却し、Cl₂を初めIClや XeF₂をここに凝縮させ、これにNd: YAGレーザを逓倍してえた波長355 nmのパルス光を照射し、たとえば Cl₂分子に1~6eVの運動エネルギーを与え、試料に照射する。エネルギーが高くなるとエッチング生成物は SiCl₃が優勢になるとの結果が示された。
 また、CO₂レーザをミラーで反射させ、その光をパルス入射させてSF₆ に照射して原子に分解させる。この原子の平均並進エネルギーは4.8eVになり、これをSiに照射させる。高エネルギーのフッ素原子の衝突でわずかにアンダカットも起こるが、異方性形状が達せられ、30nm/分のエッチング速度がえられた。

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