半導体用語集

速度変調トランジスタ

英語表記:velocity modulated transistor

 半導体ヘテロ接合を用いた電界効果型トランジスタの一種で、チャネル内の電子数を制御する従来型と異なり、電子速度を変調することで伝導度制御を行う素子。1982年、東大の榊らによって提案された。素子構造は、ダブルヘテロ構造のHEMTで、上下の二次元電子ガスチャネルの電子移動度に差を持たせている。ゲート電圧によって、これら二つのチャネル間で電子を実空間遷移させ、伝導度を変調する。この素子の応答速度は、チャネル内の電子の走行時間にはよらず、二つのチャネル間の実空間遷移時間で決まることから、通常のFET以上の高速動作が期待できる。二つのチャネルの移動度の違いは、不純物濃度や組成、構造などによって調整される。室温での動作実証が行われたが、実用化には至っていない。

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