半導体用語集
選択・非選択CVD
英語表記:selective CVD, blancket CVD
CVD法でW膜を形成する場合、Si、W、Alなどの導電膜上にのみに W膜を堆積する選択CVDと、ウェハ全面にW膜を形成する非選択 CVDに大別できる。後者はプランケットCVD (blancket CVD)と呼ばれる場合が多い。選択CVDは絶縁膜 (Si02)と導電膜の両方の領域を有したウェハが対象となり、下地へのダメージが少ないシラン遠元の反応が使用される場合が多い。
一方、非選択CVDでは密着層 (adhesion layer)と呼ばれる導電層をウェハ全面にあらかじめ形成しておくのが一般的であり、W-CVDの場合には、TiN、TiW、Wなどが使用される。密着層の役割は、(1)下地 (特にSi02)とCVD-W膜の密着性の向上、(2)W形成初期の核形成 (nucleation) を容易にし、膜の均一性、段差被覆性、モフォロジーなどを改善すること、が主な目的である。ブランケットW-CVDプロセスでは、核形成ステップにシラン還元、 メインの膜形成ステップに水素還元を使用する場合が多い。水素還元プロセスでは反応律速の領域を選ぶことにより、段差被覆性に優れたW膜を形成できることが最大のメリットである。したがって、接続孔の開口後に密着層とブランケットCVDによるW膜を順次形成することにより、 接続孔の内部では側面と底面からの均一な膜成長が起こるため埋め込みが可能となる。この後、全面でエッチバックまたはCMP (化学機械研磨) を施すことにより、接続孔内部のみにWプラグを残すことができる。ブランケットCVDによるWプラグは、選択CVDで形成したプラグと比較して工程が長いというデメリットはあるが、選択性の破れという不安定要因を回避できるため、半導体の製造プロセスでは広く実用化されている技術である。
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