半導体用語集
酸化膜中欠陥
英語表記:oxide defects
シリコン酸化膜は結晶ではなくアモルファスであり、エネルギー的には準安定状態である。そこで局所的にエネルギーが低い準安定状態が隣にあれば、それを乗り越えるだけのエネルギーが与えられた時には系の状態はより低い方に移っていく。しかしながらSiO₂においては、特に電子の伝導帯においてはバンド描像がよくなりたち、アモルファスであることをあまり意識させない。Si-O-Siの結合角は平均的には144°であるが、かなり広い分布をしていることがわかっているが、一方、O-Si-O角はあまり大きな分布は持っていないと考えられている。これは、SiO₂を構成しているSiーOの四面体構造は、アモルファスという描像ではなく、しっかりした決まった構造を持っており、これがSiO₂の電子構造をほぼ作っておりバンド描像をなりたたせているともいえる。逆にいうと、この四面体構造に影響を与えるような影響、つまり近距離秩序を乱すような構造の場合には、電子構造に大きな影響を与え、ギャップ内準位を作り、酸化膜中に欠陥を作る。これは酸化膜の信頼生に大きく影響を与える。たとえば、四面体構造に歪を入れなくてはならないようなネットワーク構造になってしまう場合や界面のサブオキサイドではなくとも酸化によってSi原子がすべて酸素と結合せず、バルク中にもSi-Si結合が残ってしまうことが知られている。この場合、やはり四面体構造に影響を与えることになるので、ギャップ内にエネルギー準位を形成する。また、SiがOではなく、他の原子たとえば水素原子Hと結合している場合もあるし、結合しないでダングリングボンドとして残っている場合もあり、それぞれ欠陥となる。また、Si-Oの結合は形成されているが、Oのもう一端が未結合の場合、Hと結合している場合、あるいはSi-O-O-Siの結合になっている場合もある。
これらの結合は普通ESR測定によって観測される。これらには、それぞれ特有のESRシグナルに応じて、名前がつけられている。最も典型的には、 O=Si・のE'センターと呼ばれる欠陥で、表示のように三つの電子はOと結合を組んでいるが、一つがダングリングボンドになっている。またシリコンに結合した各種不純物に関係した欠陥も捕獲中心になることはいうまでもない。
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