半導体用語集
量子効果デバイス
英語表記:quantum effect device
電子の持つ量子力学的な波の性質に起因する量子現象を人工的に制御し利用する電子デバイス。半導体微細構造で現われるトンネル効果や量子サイズ効果を利用した共鳴トンネルデバイス、二次元電子ガスを伝わる電子波の位相情報を利用した電子波干渉デバイスなどがその例である。特徴は、波の性質によって微分負性の伝達コンダクタンスが現われるなど、従来の古典的デバイスでは実現困難な電気的特性を持たせることができる。半導体デバイスの性能向上は微細化(スケーリング)によりなされてきたが、量子効果を用いて高性能化を図るものとして、期待されている。
量子井戸や量子ドットがデバイス内部に組み込まれているHEMTや半導体レーザも広い意味では量子効果デバイスと呼ぶことができる。これらの場合、量子効果により、新しい機能が付け加わるのではなく、動作速度や消費電力などのデバイス特性が大幅に改善される効果がある。
電子の有効質量が小さく、量子効果が現われやすい化合物半導体が量子効果デバイスの素材として用いられたが、最近では微細化技術が進んだシリコン系の量子効果デバイスの研究が進んでいる。
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