半導体用語集
金属埋め込み(プラグ)
英語表記:plug formation
半導体デバイスの微細化に伴って、 横方向の縮小は各世代70%程度の割合で行われているが、縦方向の縮小は、電極の低抵抗確保などの理由であまり進まない。このため、コンタクトやビアホールの縦横比(アスペクト比)は大きくなり、細く深いホールに配線を形成する技術が必要になってきた。当初は、ホール開口後蒸着やスパッタ成膜などのPVD (Physical Vapor Deposition)法により配線を形成できたが、アスペクト比の高いホールでは、PVD技術はカバレッジが悪く、断線などの配線信頼性劣化を引き起こす。そこで、ホールをメタルで充填する技術として、リフローやメタルCVD (Chemical Vapor Deposition)技術が開発された。リフロー技術は基本的に成膜方法はスパッタ成膜で、温度によりホールにメタルを流し込む技術である。したがって埋め込めるアスペクト比には限界があるが、低コストプロセスとして使用されている。リフロー埋め込みの材料は、メタルのフローを利用することから比較的融点が低く、かつ配線として使用できる低抵抗材料が望ましく、Alまたは Cuが使用されている。
メタルのCVDは、高アスペクト比を持つホールへのメタル充填技術として開発され、成膜には大きく分けてプランケット法と選択成長法がある。現在主に使用されているのはブランケット法であり、ホール内、表面にほば均ーに成膜される。選択成長法は、半導体または金属上と絶縁膜上での表面反応の違いを利用し、ホール底からのみメタル成長させる方法である。ホール埋め込みのための金属材科としては、W、Al、Cuなどがある。 特に高融点金属であるWは、 高温プロセスに耐えられるため、コンタクトホールの埋め込み材として最近のデバイスに利用されている。
リフロー埋め込みでも、CVDによる埋め込みにおいても、埋め込み金属を成膜する前に、金属拡散を防いだり、密着性の確保、またはコンタクト抵抗の低減と安定化のためにバリアメタルの成膜を行っている。 一般に成膜方法はPVD法を用いるが、高アスペクト比のコンタクトホール形成では CVDを使用する場合もある。
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