半導体用語集

除害システム

英語表記:harm eliminator system

 除害システムとは、環境に有害な物質を除去するシステムをいい、一般に工場から排出される排ガス・排水施設に付加される公害防止システムである。また、そのような目的で付加された設備を除害装置または除害設備と称す。半導体工場では様々な薬品やガスを使用しており、排ガス・排水には有害物質も含まれる。したがって、これらを排出するためには、大気汚染防止法や水質汚濁防止法で規制された基準値を満たすよう、有害物質の除去が必要である。また高圧ガス保安法でも、半導体工場で多く使用される特殊高圧ガスにおいては除害設備の使用を義務づけている。一方「PFC等」は安全かつオゾン層破壊の危険性もない物質であるが、大気寿命が長く地球温暖化効果をもたらすため排出削減対象となっており、除害装置の必要性も考えられてきている。
 以下、半導体製造工場からの排ガスと排水における除害装置の概要について述べる。
 
 (1)排ガス
 排ガスの種類は、主に洗浄装置などから出る酸・アルカリ系排気、CVDなどから出る反応生成粉末を含む粉系排気、塗布・剥離装置から出る有機系排気、排熱などの無害な無処理排気に大別される。これらに含まれる有害物質の除害方法には、固体処理剤を用いる乾式、塩基や酸化剤水溶液を用いる湿式および燃焼式があり、吸着・吸収・溶解・分解・濾過作用などで処理される。最終的には有害物質の濃度が基準値以下になった状態で大気に放出される。

 (2)排水
 排水の種類は、製造工程では、研磨工程(研削やCMPなど)で排出される浮遊物質含有排水、ウェハ洗浄工程の有機系排水、エッチング工程のフッ素系排水、その他、酸・アルカリ洗浄を行っている工程から排出される酸・アルカリ系排水に大別される。また製造工程以外の付帯設備、たとえば超純水製造システムの逆浸透膜装置からの濃縮水、イオン交換装置からの再生排水などがあり、また排ガス処理で有害物質を溶解した排水も含まれる。これらの排液は分別され、各除害設備で沈殿分離・吸着・生物処理・中和などの方法で処理され、工場外に排出される。最終的に残る固形物は汚泥として廃棄物処理される。
 
 以上のように除害システムは、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済の中で、公害防止対策としての環境管理活動に非常に有効な手段であるが、基本的な考え方としては、まず製造方法の変更により再資源化しにくい物質や処理が難しい物質を極力使わず、使用条件を検討し使用量を極力削滅することも大事である。次いで使用した物質の分別回収を徹底して再資源化を図り、その上で回収されずに除害装置に排出された物質の処理については適正に処理し排出物を最少に抑えるよう努力し、さらに最終的に発生した排出物にも再資源化を検討することが大切である。
 今後は除害システムのみに依存せず、製品の開発設計あるいは製造段階で、より環境負荷の小さい物質に代替化していくといった源流対策が重要となりつつある。

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