半導体用語集

陽電子消滅

英語表記:positron annihilation

物質中に陽電子を入射させて,そこに存在する電子と対消滅した時に発生するア線を検出し、物質の物理的ないし化学的性質を調べる研究手段をいう。入射した陽電子はイオンや電子との非弾性衝突を繰り返すことによって急速にその運動エネルギーを失い周囲 とはば熱平衡に達する。熱運動エネルギー程度まで減速した陽電子の対消滅の相手は、主として最外核の電子である。またその正電荷のため原子核からクーロン斥力を受けるため、陽電子は原子の欠如した部分、すなわち格子欠陥にとらわれやすい。このため金属・合金中の伝導電子のフェルミ面の研究や、結品中の空格子点の研究に特に威力を発揮する手段である。陽電子の寿命は周囲の電子密度が高いほど短く、 電子密度が低いほど長くなる。したがって陽電子の寿命の測定により陽電子が消滅する場所の電子密度がわかる。また表面での低速陽電子およびポジトロニウムの収率や、陽電子の消減特性を入射陽電子のエネルギーの関数として測定すると、電子構造や格子欠陥の存在量を深さ方向に分析することが可能である。


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