半導体用語集
電子励起脱離
英語表記:Electron Stimulated Desorption : ESD
Electron Stimulated Desorption
(ESD) あるいはElectron Impact Desorption (EID)は電子励起脱離、電子刺激脱離、電子衝撃脱離などと訳 される。電子線をプローブとするLEED (Low Energy Electron Diffraction)、 RHEED (Reflection High Energy Electron Diffraction)、 AES (Auger Electron Spectroscopy) などで表面を観察している時、信号が徐々に変化することがある。電子線により観測表面が励起されて表面から構成原子が脱離したり、気相中に残留する分子が励起された表面に吸着したりするからである。電子励起脱離は超高真空領域における電離真空計で問題視され、この分野での研究が進んでいる1)。脱離機構には、Menzel and Gomer2)およびRedhead3)により提唱され、3人の頭文字で呼ばれているMGR機構と、イオン性結合をしている系に対しKnotek and Feibelman4)によって提唱されたKF機構がある。前者は吸着種の励起機構と同じように扱うもので、フランクコンドン遷移を考えの基本としている。後者のKF機構をより発展させ一般化したオージェ誘起機構5)が様々な系に対して有効であるとされている。
参考文献
1)たとえば、 J. L. de Segovia : "A review of electron stimulated desorption processes influencing the measurement of pressure or gas
composition in ultra high vacuum systems". Vacuum, 47, 333 (1996)
2)D. Menzel and R. Gorner: J. Chem. Phys., 41, 3311 (1964)
3)P. A. Redhead: Can. J. Phys., 42, 886(1964)
4)M. L. Knotek and P. J. Feibelman : Phys: Rev. Letters, 40, 964 (1978)
5)D.A. Ramaker, C. T. White and J. S. Murday: J. vac. Sci. Technol., 18, 748 (1981)
関連製品
「電子励起脱離」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「電子励起脱離」に関連する用語が存在しません。
「電子励起脱離」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。