半導体用語集
電子線ホログラフィ法
英語表記:electron holography
電子線ホログラフィとは,電子線でホログラムを作り,このホログラムから像を再生する二段階結像法をいう。電子源から出た干渉性のよい電子線を試料に当て,試料からの散乱電子線と試料近傍を通過する電子線とを電子干渉計で重ね合わせて干渉縞を作り,これを電子レンズで拡大化することで電子線ホログラムが作られる。このホログラムにレーザ光を当て回折光の中に拡大された三次元像を作るか,あるいはコンピュータを用い画像処理を行うことで像の再生を行う。
電界放射型電子銃が開発され干渉性のよい電子線がえられるようになり,電子線ホログラフィは実用の域に達した。その一つに電子干渉顕微鏡がある。これは電子顕微鏡像の位相情報を等高線で表示することにより,試料の厚さや磁化の分布を観測する物である。特徴ある観測手法であり,今後材料科学の分野で大きく応用されてくるものと思われる。
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