半導体用語集

飽和吸湿量

英語表記:content of saturated moisture absorption

 半導体封止樹脂の吸湿量の飽和値。吸湿は,フィック型の水分拡散機構によって支配される。吸湿開始後,時間tとともに増加していく吸湿量M(t)は,最終的には飽和吸湿量Msに逹する。飽和吸湿量と環境の相対湿度は,比例関係にある。しかし,PCTなどの厳しい環境条件では,過飽和など,フィック型ではない吸湿のメカニズムが発生することがあり,その場合,飽和吸湿量は大きめの値となる。
 飽和吸湿量は,おのおのの部材に固有な物性値として扱われる。飽和吸湿量の測定は,温度と相対湿度を固定した恒温恒湿漕に試験片を入れ,その重量の吸湿による経時変化を化学天秤などで測定する。測定開始から1時間後の試験片の重量をm(t),吸湿前の重量をm₀とすると,吸湿量M(t)は,次式で表わされる。
  M(t)=(m(t)-m₀)/m₀
 単位は,ppmを使う。あるいは,試験片の密度dを乗じて水分濃度で記述する。上記に示したように,相対湿度によって飽和吸湿量は変化するが,温度によって変化するのは,飽和吸湿に至るまでの時間である。典型的な封止材料であるクレゾール・ノボラック型のエポキシ樹脂では,85℃の吸湿条件では100時間程度で飽和吸湿に逹する。
 従来,飽和吸湿量は,プラスチックパッケージ用封止材料について問題にされていただけであったが,最近では,パッケージ形態の多様化,高信頼性の要求により,ダイボンディング材,アンダーフィル材など,他の有機系の部材に及ぶようになってきた。


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