半導体用語集

高度情報化社会

英語表記:high informationalized society

 情報化と半導体化は表裏一体の関係にある。ニーズとしての情報化が、半導体技術の発展を促し、それがさらに情報化を進める。マイクロプロセッサが付加価値を持ち、大きな市場になったのも、この高度情報化と同期しえたためである。その意味では、半導体は、情報の大量消費を可能にした。大規模なデータを高速に処理、インターネットも含めた大量の情報を遠隔まで伝える通信は、半導体があってこそ可能になった。歴史的には、1950年代より、情報化の進展は、大企業を中心としたコンピュータの導入に始まり、単体利用による大量データの迅速な処理が行われた。その後の技術発達に伴い、1970年代後半からはコンピュータと通信の融合により様々な情報通信システムや情報ネットワークの形成が促進された。このような中で、産業分野では、企業活動の一層の効率化・合理化を目指した各種の情報通信システムや情報ネットワークの構築が進むとともに、いわゆる「情報の産業化」として情報ニーズに対応した多様な情報提供事業が展開しつつある。また、政府においても、事務処理の効率化や住民サービスの向上などを目的とした情報通信システムの導入が進んでいる。これが、高度情報化社会であり、この進展により、社会の枠組みも大きく変化しつつある。すなわち、高度情報化社会とは、情報の入手・処理・発信の大衆化でもある。この背景は、社会の情報ニーズの増大と、半導体技術をベースにした情報処理・通信技術の発達が考えられる。高度経済成長により物質的な豊かさが実現され、さらに人々の価値感やライフスタイルの変化、産業構造の転換、高齢化・少子化に伴い、情報に対する社会の多様なニーズが増大し、情報の持つ価値が社会全体で高まっている。このような情報ニーズの増大は、情報供給の活発化を促し、情報交流の拡大と情報流通量の増大をもたらしている。一方、半導体を中心とするエレクトロニクス分野の技術進歩に伴うコンピュータの高性能化やデジタル通信技術の進歩による高速・高品質のデータ伝送の実現など、情報処理・通信技術の発達は、ISDN、インターネット、衛星通信網などのインフラの高度化・多様化を促進している。中でも、インターネットは、今や世界的に爆発的な広がりをみせており、従来の通信網を上回る勢いである。また、文字、音声、画像、映像などの情報を融合・一体的に利用するマルチメディア化も進んでいる。テレビとパソコンの一体化や携帯情報端末が開発され、半導体の投入計数はさらに上昇しよう。その意味では、半導体は、高度情報化社会のインフラ、ハードを提供したといえるが、これからは、われわれのリテラシーや、コンテンツの発進、評価能力がますます重要になろう。

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